令和6年12月20日に与党の「令和7年度税制改正大綱」が発表され、12月27日に内閣で閣議決定されました。今年1~3月に通常国会で審議され、法案が可決・成立することになりますが、例年と異なり少数与党の為、内容が修正される可能性があります。
今回は、皆さんが最も関心があるかと思います「年収103万円の壁」についてご紹介します。
◆パートタイマーの年収103万円の壁の見直し
・令和6年までの給与所得者は、103万円までは課税されませんでした。これは、基礎控除額48万円と給与所得控除額55万円の合計です。
・物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応するため下記の2点の見直しを行う予定です。
①所得税の基礎控除について、合計所得金額が2,350万円以下である個人の控除額を10万円引き上げ、58万円とする。
②給与所得控除の最低保障額について、10万円引き上げ、65万円とする。
・これにより、令和7年の給与所得者は、123万円まで所得税が課税されなくなります。
・住民税においては、給与所得控除の改正のみ反映されます。
◆大学生の親の特定扶養控除の引上げ等
・令和6年までは、親族等の給与収入の上限額は103万円でしたので、親族等の給与収入が103万円を超えると、親等は特定扶養控除63万円の控除が受けられませんでした。
・就業調整対策の点から下記の2点の改正を行う予定です。
①親族等の給与収入上限額を150万円に引き上げる。
②親族等の給与収入上限額が150万円を超えた場合でも親等が受けられる控除の額が段階的に逓減し、給与収入が188万円を超えると消失する仕組みとする。(特定親族特別控除(仮称)の新設)
・これにより、親族等の給与収入が150万円までであれば、親等は特定扶養控除63万円を受けられ、150万円を超えても控除額は61万円から3万円まで逓減し、188万円超で0円になります。
今後の情報にご留意ください。
社員税理士 庄司 真弓