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朝日だより

結婚・子育て資金一括贈与が少し変わりました!(朝日税理士法人だより資産税版Vol.132)

2021年11月01日 朝日税理士法人だより 資産税版

 令和3年度税制改正において、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の2年延長(令和5年3月31日まで)が決定し、内容が一部見直されましたので、ご紹介させていただきます。

                      

≪結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度とは≫ 

 結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度は、直系尊属(親や祖父母)から結婚・子育てのための資金を一括で贈与された場合に、1,000万円まで贈与税が非課税になるものです。

 結婚や子育てに関する費用は生活に必要なものであり、扶養の範囲で贈与する場合は贈与税がかかりません。結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度は、必要になると見込まれる資金を前もって一括で贈与する場合に効果があります。

 

(贈与を受ける人の要件)

●贈与者の子や孫など、直系卑属にあたること。

●金融機関と結婚・子育て資金管理契約を締結する日において、20歳以上50歳未満であること。(成人年齢引き下げ後は、18歳以上50歳未満)

●結婚・子育て資金を取得した前年の合計所得金額が1,000万円以下であること。

 

(非課税になる限度額)

 非課税になる限度額は贈与を受ける受贈者1人あたり1,000万円です。このうち結婚のための費用は、300万円が限度額となります。

 

(結婚・子育て資金となるもの)

●結婚に関連して支払われる費用

●妊娠、出産、育児に必要な費用

●挙式費用・衣装代など結婚披露のための費用

●家賃・敷金等の新居の費用や転居費用

●不妊治療や妊婦健診に要する費用

●分娩費用や産後ケアに要する費用

●子の医療費、幼稚園・保育所などの保育費用(ベビーシッター代を含む。)他多数。

 

(具体的な手続き)

 信託銀行などの金融機関と結婚・子育て資金管理契約を結び、専用の結婚・子育て資金口座を開設します。同時に、金融機関を通じて「結婚・子育て資金非課税申告書」を、受贈者の住所を管轄する税務署に提出します。結婚・子育て資金口座の開設には、贈与契約書のほか、受贈者の戸籍謄本・抄本、確定申告書の控えまたは源泉徴収票などの提出が必要です。口座を開設すれば、その後の贈与や払い出し、税務署への届出は金融機関を通じて行います。

 

(贈与者が死亡した場合は相続税の対象)

 結婚・子育て資金一括贈与の非課税制度を適用している途中で贈与者が死亡した場合は、結婚・子育て資金口座の残額が相続税の対象になります。

 孫が遺産を相続する場合は、相続税の税額が2割加算されます。改正前は結婚・子育て資金口座の残額に対応する税額は2割加算の対象にはなりませんでしたが、改正により2割加算されることになりました(令和3年4月1日以後取得分)。

 

(契約が終了した場合は贈与税の対象)

 受贈者が50歳に達したことなどにより、結婚・子育て資金口座に係る契約が終了した場合に、結婚・子育て資金口座に残額があるときは、その残額はその契約終了時に贈与があったこととされ、贈与税の対象となります。

 

(令和3年度税制改正の内容)

●孫などへの贈与に係る管理残額の一定部分は「相続税の2割加算」となる。

●結婚・子育て資金非課税申告書などの電磁的方法による提出が可能に。          

●結婚・子育て資金の範囲に一定の認可外保育施設へ支払う保育料の追加。

 

(最後に)

結婚・子育て資金一括贈与のほかにも、教育資金一括贈与や住宅取得資金の贈与という特例もあります。ぜひご相談いただければと思います。

(文責:小田原事務所 清田和男)

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