【とある税収額】が多い地域のトップ5です。
第1位 神奈川県箱根町 620,737千円
第2位 大分県別府市 465,010千円
第3位 静岡県熱海市 464,746千円
第4位 北海道札幌市 387,698千円
第5位 栃木県日光市 366,820千円
(2019年度調べ)
何税でしょうか。温泉地が多く掲げられていますね。正解は「入湯税」です。
入湯税収入額の多い地域として、箱根町は1986年以降トップを走り続けています。
1.入湯税
入湯税とは、鉱泉浴場が所在する市町村が、鉱泉浴場における入湯行為に対し、入浴客に課する目的税です。
その使途は、環境衛生施設の整備、鉱泉源の保護管理施設の整備、消防施設その他消防活動に必要な施設の整備、観光の振興(観光施設の整備を含む)に要する費用に充てることとされています。
税率は1人1日150円を標準としていますが、各市町村が独自の判断で変更することができ、20円から250円の市町村まで存在します。
横浜市の場合、税率は1人1日100円となりますが、12歳未満の者、共同浴場または公衆浴場に入湯する者は課税が免除されています。また、宿泊施設を伴わない温泉・鉱泉浴場であっても、入湯料金が1,400円以下(税抜)である入湯行為については、課税免除となっております。
2.宿泊税
ホテル・旅館によって宿泊税を支払ったり支払わなかったり、同じホテル・旅館に宿泊しても時期によって宿泊税が違ったということはありませんか。
宿泊税とは、各地方自治体の条例により課税対象地域にあるホテルや旅館などの宿泊施設に宿泊した場合に、宿泊料金に応じて課税される目的税です。
東京都の対象宿泊施設はホテル・旅館ですが、民泊は対象外となっております。
また、大阪府・京都市・金沢市・北海道俱知安町・福岡県の対象宿泊施設については、ホテル・旅館・簡易宿泊所であり、民泊も対象となっております。
各宿泊料金に対する宿泊税は次のとおりです。
・東京都(2002年10月より)
宿泊料金 1万円未満は非課税、1万5千円未満は100円、1万5千円以上は200円です。
※2020年7月1日から2021年9月30日までは東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、宿泊税の課税が停止されました。
・大阪府(2017年1月より)
宿泊料金 7千円未満は非課税、1万5千円未満は100円、2万円未満は200円、2万円以上は300円です。
・京都市(2017年10月より)
宿泊料金 2万円未満は200円、5万円未満は500円、5万円以上は1,000円となっており、非課税とする宿泊料金を設定していません。
なお、修学旅行については課税対象から除外されています。
・金沢市(2019年4月より)
宿泊料金 2万円未満は200円、2万円以上は500円です。
・北海道俱知安町(2019年11月より)
税額は宿泊料金の2%で、定率制の宿泊税は全国初となっています。
・福岡県(2020年4月より)
福岡市の場合は、宿泊料金 2万円未満は200円
(県50円、市150円)、2万円以上は500円
(県50円、市450円)、
北九州市の場合は一律200円(県50円、市150円)、福岡市・北九州市以外は一律200円(県200円)となっており、日本初の県と市両方の宿泊税が課される二重宿泊税の地域となっています。
宿泊税を導入したことにより、福岡市では入湯税が150円から50円に減額されました。
宿泊税の導入を検討している地方自治体がさらに増加しております。
宿泊費は消費税の課税対象ですが、入湯税・宿泊税は税金ですので、消費税は課税対象外となります。会計処理を行うときはご注意ください。
コロナが落ち着いて、温泉でのんびりとできる日が早く戻ってくるといいですね。
(文責:関内本店 藤田頼枝)